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Voce d' Angelo レナータ・テバルディに捧ぐ

レナータ・テバルディの専門ブログです。情報、動画、鑑賞録など。

略伝(14) 引退後、死

引退後のテバルディの生活を一言で言うならば、「悠々自適」というのが最も相応しいし、実際そう言われてきました。「伝記」には「いろいろな賞(勲章)を受け続けている」と書かれており、実際、その通りでした。 彼女は現役時代相当な量のレコーディングを…

略伝(13) 引退

もはや『ジョコンダ』を歌わなくなった後は、『マノン・レスコー』や『アドリアーナ・・・』で出演し続け、1968年は暮れました。 この間、『アドリアーナ・・・』の公演にマリア・カラスが訪れ、「和解」が大々的に報道されるという一幕もありました。その後…

略伝(12) 変調、ジョコンダへの挑戦

以前の項で書いたとおり、実はテバルディの全盛期は母親の生きている間までがせいぜいだった、と思います。彼女は全力疾走しすぎたのではないでしょうか。レパートリーに気を配ってはいたのでしょうが、リリコ・スピントとしては最強といえる彼女にも、限度…

略伝(11) 不倫の恋、不幸な結末

バジーレには妻子がいました。(写真:アルトゥーロ・バジーレ)ですが、演奏家にありがちなことながら、演奏会で居宅を離れることの多かったこと、バジーレ自身が女癖の悪い男だったことも手伝って、彼の結婚生活は破綻していました。女性を口説くのは彼に…

略伝(10) バジーレとの出会い

テバルディは本気で引退を考えるところでした。ですが、ニューヨークでのミサを取り仕切ったスペルマン枢機卿の、「美しい声は聖なる贈り物ですから、皆さんと共有なさらなければ。」という言葉や、この事態を知って彼女の元にやってきた、今は年老いた恩師…

略伝(9) 母の死

メトロポリタンでのテバルディのキャリアは順調に進みました。イタリア・オペラのプリマとしてはジンカ・ミラノフがいましたが、彼女はテバルディより16歳も年長で、盛りを過ぎていましたし、テバルディのような音色と声量の持ち主ではなかったので、テバル…

略伝(8) メトロポリタンへ

下らない場外乱闘であったことはともかくとしても、カラスとの確執は事実上、当時はテバルディのキャリアに大きく影響してしまいました。スカラ座は二人のプリマと契約していたため、二人を競わせるような形になっていったのです。 これだけは否定できないと…

略伝(7) カラスとの確執

トスカニーニに起用されたからといって、急に仕事が激増したわけではありませんでしたが、テバルディの名声は徐々に浸透しつつあり、劇場への出演回数も増えていきました。彼女の出演記録で一番信頼できるのは、ISSUUにアップロードされているRenata Tebaldi…

略伝(6) トスカニーニのオーディション

テバルディがミラノに拠点を移した頃には、第二次世界大戦は終わっていました。この頃彼女はジュゼッペ・パイスの指導を受けながら、様々な歌劇場で歌い始めていました。 この間、政治的理由でアメリカに亡命していたアルトゥーロ・トスカニーニがイタリアに…

略伝(5) 戦火の中のデビュー

折角理想的な師匠と巡り会い、自分の歌声についても絶賛されたレナータでしたが、1943年になると第二次世界大戦の戦火が激化し、ロッシーニ音楽院は一時閉鎖を余儀なくされました。レナータと母達はペーザロ近郊のカルトチェートに逃れました。(左地図)き…

略伝(4) 声楽への道、師カルメン・メリス

1935年、(レナータ13歳)彼女は初等教育を終えました。進路として母が示したのは、一族の店を手伝うか、ピアノを続けるか、でした。レナータはピアノ演奏を学び続けることを選びました。彼女はパルマのアリゴ・ボーイト音楽院に、ピアノ科の生徒として入学…

略伝(3) 父との出会い、音楽との出会い

母ジュゼッピーナは、レナータがもっと物事をよく理解できる年齢になるまで、父親のことを話すまいと考えていました。しかし、レナータは先に、クラスメートの口から真実を知ってしまったのです。 あるクリスマスの前、学校では両親にクリスマス・カードを書…

略伝(2) 病魔との戦い

テオバルドと別れざるを得なくなった傷心の母ジュゼッピーナと幼い娘、レナータは、母の故郷のパルマ近郊にあるランギラーノの母の実家の一族に温かく迎えられました。バルビエーリ家は当地の郵便局の営業権を持っていましたし、レナータの祖父は雑貨商を営…

略伝(1) 誕生、父母の離別

レナータ・テバルディの伝記的記述をするにあたって、私がが主に依拠したのはCarlamaria Casanova著、Connie Mandraccia DeCaro英訳の"Renata Tebaldi The Voice of an Angel"です。(左写真)この書籍は著者、訳者ともテバルディの友人だった人たちであって…