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Voce d' Angelo レナータ・テバルディに捧ぐ

レナータ・テバルディの専門ブログです。情報、動画、鑑賞録など。

略伝(2) 病魔との戦い

テバルディ 略伝

テオバルドと別れざるを得なくなった傷心の母ジュゼッピーナと幼い娘、レナータは、母の故郷のパルマ近郊にあるランギラーノの母の実家の一族に温かく迎えられました。バルビエーリ家は当地の郵便局の営業権を持っていましたし、レナータの祖父は雑貨商を営んでいましたので、経済的に困窮するということはありませんでした。ジュゼッピーナは店の手伝いをしたり、教会で儀式に使われる衣装に刺繍を施したりして家業を手伝いました。

しかし、母の故郷に迎えられたまさにその年、3歳の時にレナータはポリオを発症しました。彼女はその後5年間というもの、非常な苦痛を伴う注射や、マッサージ、温熱治療、理学療法などのあらゆる治療を受けることとなり、事実上ベッドに縛り付けられるような生活に明け暮れたのです。あるときなどは、あまりにも注射の跡だらけになったレナータは、苦痛のため横たわって眠ることもできませんでした。そんなときは、母のジュゼッピーナが彼女の体を支えて、眠らせてやったそうです。

後年、彼女の演技がどこかぎこちなかったのは、運動に関する感覚を身につける幼少期の体験を欠いていたからかもしれません。幸運なことに彼女は歩けるようになりましたが、外に出て遊ぶことはあまり好きではありませんでした。実際、彼女の足は片方少し小さかったのだそうです。外見上それとわかるほど大きさが違わなかったのは幸運でした。彼女はステージに立つキャリアを選んだのですから。

レナータの健康上の問題は、それだけではありませんでした。同年代の子供より食欲がなかったのです。彼女がなかなか食べ物を受け付けないので、母達はMellin社の幼児食を試してみることにしました。(この会社は今でもイタリアで幼児食を製造・販売しています。)この食事が気に入ったらしいレナータは、それからは普通に食事を取れるようになりました。彼女がいかに健康的になったか、Mellin社の宣伝用写真に登場したほどです。(写真)

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幸運にもポリオを克服することができたレナータは、8歳でようやく学校に通えるようになりました。彼女自身の言葉によると、「とんでもない子供」だったそうです。一族にばかり囲まれて、他人との接触がほとんどなかったレナータは、ほかの子供にどう接して良いか、なかなか理解できなかったようで、子供同士の遊びに加わることはあまりありませんでした。学校で「先生」を演じ、クラスメートを一列に並ばせて、長い棒で打った(!)こともあったそうです。

父親がいないことについて、レナータは、「何かがおかしい」という感覚はあった、ということですが、一応、母の「お父さんは死んだ」という説明を受け入れていました。