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Voce d' Angelo レナータ・テバルディに捧ぐ

レナータ・テバルディの専門ブログです。情報、動画、鑑賞録など。

1951年 ナポリ サン・カルロ劇場での『フェルナンド・コルテツ』(1)

LIVE フェルナンド・コルテツ

今回から、1951年12月15日に収録された、ナポリ サン・カルロ劇場でのライブ、スポンティーニの『フェルナンド・コルテツ』におけるテバルディの登場シーンをご紹介します。

このオペラは全くなじみがないし、CDとして販売された音源も少ないようです。(1974年、ロヴロ・フォン・マタチッチの指揮、アンヘレス・グリンのアマジリーでのトリノ上演盤があるようです。それだけ???みたいですが。)上演される機会もほとんどないのではないでしょうか。

ですので、まずは、梗概をご紹介します。『ジョヴァンナ・ダルコ』のときもそうでしたけれど、このオペラも史実上のエルナン・コルテス像とはほとんど関係ない、と言って差し支えないでしょう。コルテスは・・・。はっきり言って、南米原住民の大量虐殺者として悪名高い人物で、オペラの主人公に祀り上げるのはそもそも間違いでは?と思ってしまうぐらいですから・・・。

◇登場人物
フェルナンド・コルテツ(T)
アマジリー(S) (メキシコの王女)*1
アルヴァーロ(T) (コルテツの弟)
テラスコ(Br) (メキシコの王子)
大祭司(Bs)
モンテズマ (Bs) (メキシコ王)
モラレツ (Br) (フェルナンド・コルテツの腹心)他

◇第一幕
メキシコの大聖堂の広間。戦いに勝利したにも関わらず、コルテツの弟アルヴァーロとその他のスペイン兵たちが捕虜となって、犠牲として捧げられるのを待つばかりとなっている。

大祭司および祭司達が処刑の準備をしているところにモンテズマ王と王子テラスコがやってくる。実は、アルヴァーロが捕虜の中にいることがまだ知られていなかったのを、彼らは察知し、アルヴァーロに名乗り出るように促しに来たのである。

テラスコは、スペイン軍の捕虜になったアマジリーとメキシコ兵達と交換するため、アルヴァーロを生かしておこうと考えたのである。大祭司は、祖国の神を捨て、キリスト教に改宗したアマジリーを快く思っておらず、元々彼女を生け贄にしようとしていた。彼女の母は大祭司によってすでに殺害され、アマジリーは自ら捕虜になったのである。

そこへ、アマジリーがやってくる。彼女は、すでにスペイン軍は迫ってきており、アルヴァーロを救わないと皆殺しにされる、と忠告し、自分はコルテスと相思相愛であり、二人の絆がメキシコを救うであろうと告げる。

王やテラスコ、大祭司はその知らせをおぞましいものと見なし、彼女を拘束し、捕虜達を牢に閉じ込める。テラスコはアマジリーに、馬鹿げた愛情は捨てるようにと説くが、アマジリーの心はもはやメキシコの野蛮な神から離れており、コルテツを深く愛しているのだと告げる。

モンテズマ、大祭司、祭司達と人々が恐れに震えながらやってくる。爆発音が次第に大きくなったかと思うと、メキシコの神タレプルクラの像から火が吹き出る。テラスコは反撃を訴えるが、アマジリーは自分を派遣してくれれば仲裁の労をとる、と申し出る。王だけはアマジリーの申し出に賛成するが、他の者達は抗戦を主張してやまない。混乱のうちに、王の命に従って、アマジリーはコルテツの元に行くことになる。


◇第二幕
湖畔に駐留しているスペイン軍の陣地。将校達は実はメキシコを攻めあぐねており、沈鬱な空気に陥っている。そこへコルテツがやってきて、彼らを鼓舞しようとする。モラレツは、メキシコ人達がひそかに金塊で将兵たちをつり、戦意を喪失させようとしているのだと暴露する。

モラレツと入れ違いにアマジリーがやってきて、アルヴァーロはまだ生きており、モンテズマは彼の処刑に反対しているのだが、大祭司は群衆を扇動してスペインの捕虜を生け贄にしようとしていると伝えに来る。アマジリーは自分が犠牲にされかけ、代わりに母が殺された時のこと、スペイン人の信仰に帰依するようになったときのことを物語り、改めてコルテツへの愛を告白する。コルテツは彼女の母への復讐を誓う。

そこへテラスコが招じ入れられる。彼はスペイン軍の勇猛を称えながらも、引き上げないとアルヴァーロの命はないと告げる。貢ぎ物が持ち込まれ、メキシコ人達が舞踊と歌を披露するが、それは戦いをやめることを促す内容のものであった。コルテツは戦意を喪失しかけている味方を叱責し、スペイン人達は戦意を取り戻す。

コルテツはテラスコが金塊でスペイン兵を籠絡しようとしたことを非難し、アルヴァーロおよびスペイン人捕虜達の代わりにテラスコを捕虜とすると告げる。そのとき、湖畔に停泊していたスペイン軍の船舶から火の手が上がり、混乱のうちに幕が下りる。


◇第三幕

・第一場 メキシコ王族の墓地

スペイン軍はメキシコの都の攻略に成功し、テラスコは先祖代々の墓地がスペイン人に冒涜される運命を嘆く。

そこへアマジリーとコルテツが現れる。アルヴァーロと捕虜達が無事帰されることに感謝し、コルテツはテラスコの身の安泰を保証する。が、テラスコはスペイン人達との和解を拒む。アマジリーは彼を説き伏せようとするが、テラスコは拒んで、彼らの前から去る。

コルテスは涙に暮れるアマジリーを慰めるが、彼女は不吉な予感をぬぐいきれない。モラレツがやってきて、自分はアルヴァーロ達を救いたかったのだが、テラスコは群衆を扇動し、アマジリーを生け贄にしないならば王を殺すと言って、捕虜を連れ去ってしまったと告げる。

アマジリーは、アルヴァーロを救うために自分が犠牲になる、と申し出る。コルテツは苦悩するが、捕虜を犠牲にしても攻め入る覚悟を決める。アマジリーはコルテツに従うふりをして、密かに生け贄になる決意をする。

・第二場 モンテズマの宮殿

モンテズマは宮殿に火をかけ、捕虜は解放するようにと命ずるが、アルヴァーロ達は逆に、モンテズマを捕虜にすると言い出す。

テラスコがやってきて、コルテツに敗北したことを告げる。モンテズマは炎の中で死ぬことに決める。そこへ、アマジリー、コルテツおよびスペイン軍がやってくるが、コルテツは都を破壊する意志はなく、友好関係を結びたいと申し出る。一同は戦いの終結に喜び、幕が下りる。


*********

この話も・・・。『ジョヴァンナ・ダルコ』と同じぐらい史実とかけ離れていますが、一応話の筋だけは通っている分だけ、ましかもしれません。実際には、敵味方の間をそう簡単に行き来できるの?とか、ツッコミどころは満載なのですが。

まぁ、それは置いておいて、次回からは音源のご紹介に入ります。このように梗概を書きはしましたが、この演奏はかなりはしょられています。しかも、台本通り歌われていません。頑張って聞き取りましたけれど、正確だという保証はありません。あらかじめお断りしておきます。

スコアも・・・フランス原語版のスコアは、ハーバード大学図書館にリクエストを出して一日くらい待つとPDFのをメールで送ってくれる(何と親切な・・・)のですが、イタリア語版のがありませんでした。探しに探した結果、WorldCatというサイトで(世界各国の図書館情報を集めたサイト・・・恐ろしい・・・でも、ここに書かれていることって、正しいとは限らないのです。そのお話しを今から。)で、Googleがダウンロード可能な形式で提供しているという情報をゲット。

ところが、そこをクリックしても、中身が見られない。仕方なく、Google Playの担当者さんに「どうなってるのでしょう、見られるようになりませんか?」というリクエストフォームに送信。(英文での通信になります)

そうしたら、時差があるのでこちらがグーグー寝ているうちにお返事が。「あなたはどうやら著作権者じゃないみたいですね。ですから、こちらからリクエストし直してくださいます?できたら見たい本のアドレスと目的を知らせてね」と。お安いご用です、とばかりに送信し直したら、またこっちが寝ているうちに返事。「よくわかりましたけど、公開して問題ないかどうかちょっと検討しますんで、待っててね」と。

どうせ、凄く待たされるだろうから、間に合わないだろうな・・・と悲観していたら、2日くらいでもうリアクション。「全部公開して問題ないと思いますから、(私の独り言:そりゃ、ずっと昔の楽譜だから・・・本来著作権がどうのって問題はなかったはずなんですけどね)ここをクリックすれば見られますよ。」こんなに早いレスポンスは期待していなかったので、正直に「Thank you soooooo much for...(英文では、「何に対して」Thank youなのか書かないと?と思われてしまうんです。ご用心を。)」全部公開してくれてホーーーーんとにありがとう。ずいぶん早く結論出していただいたんで驚きました。とっても助かるんですよ。五つ星!!!」と英語で返事したら、何とそれにまで返事が!「どういたしまして。またなんかあったらお気軽にご相談を。」てな。

メールを出して、返事をもらえないのって、悲しいものです。これって、半ば事務的なやりとりだったので、先方の誠意に正直、大感激しました。Googleさんもやるなぁ・・・と。それだけ、自社の評判に気を遣ってるんですね。ただ・・・見られたのはいいけれどスコア通り歌われてないことを発見したんですが・・・。その辺は次回から。

 

 

 

*1:大体、「メキシコ」という書かれ方に問題があるのです。当時はアステカ帝国の時代でしたから、正しくはアステカ帝国の皇女、ですが、リブレットの書き方に従いました。以下も同様です。